ザ・グランド・ツアー ― イタリアを目指して

2025年9月18日~2026年1月4日

『ザ・グランド・ツアー ‐イタリアを目指して』展では、皆様を17世紀から18世紀にかけて行われていた「グランド・ツアー」にご案内します。当時、イギリスの貴族階級の青年たちは学業の集大成として、数年をかけてヨーロッパ巡遊旅行をしていました。なかでもイタリアは大変人気な旅の最終目的地でした。特にローマやヴェネツィア、そしてナポリは絶大な人気を誇っていました。原題でいうところの「ギャップイヤー」にあたりますが、「グランド・ツアー」は1年や2年、はたまた3年に及ぶことも珍しくありませんでした。その旅路で、青年たちは芸術、建築、文化について学びを深めていきました。また、彼らが旅の記念にと持ち帰ったものは写真や絵はがきではなく、自身の肖像画や街が描かれた風景画、ローマ彫刻などの芸術作品でした。とりわけ「外せなかった」のは、カナレットによるヴェネツィアの景観画でした。自邸に「水の都」を一点でも飾ることが、ある種のステータスの象徴でもありました。

今回の展覧会では、特別な許可を得て、イギリスの壮麗なカントリーハウスである バーリー・ハウス(Burghley House)、ホウカム・ホール(Holkham Hall)、 ウーバン・アビー(Woburn Abbey)より至宝のコレクションをお借りしました。

中には本邦初公開となる作品も含まれておりますで、どうぞお見逃しなく。